Defense

ウクライナの戦場データで軍用ドローンAIを開発へ、英政府が公募

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    英国企業は、ウクライナの戦場データを使う軍用ドローン向けAIモデルの開発案を応募できる。

  2. 実現の仕組み

    昼間用・熱センサーの画像や600万件超の物体検出情報を、AIモデルの開発、訓練、評価に使う。

  3. 得られた結果

    初回公募では最大12社にデータの初期利用枠を設け、英・ウ両国の防衛要件に適用できる提案を求める。

  4. 従来との違い

    英国は、ウクライナの戦場データを収めるAvengers AI Labsにアクセスする初の外国パートナーとなる合意を結んだ。

昼間・熱画像のデータから開発用モデルを作り、複数の無人機へつなぐ概念図
AI生成画像

ウクライナで収集された戦場データを、軍用ドローン向けAIモデルの開発に使う公募が始まった。英国防省は、通信が制約される環境でも複数のドローンが連携できるモデルの開発を目指し、英国企業から提案を募っている。

戦場データを使うドローンAI開発案を募集

英国防省は、ウクライナの戦場データを使って次世代の軍用ドローン向けAIモデルを開発する案を英国企業から募集している。英国はウクライナとの合意により、戦場データを扱うAvengers AI Labsにアクセスする初の外国パートナーとなった。

この公募が扱うのは、運用済みのドローン群の性能ではなく、これから開発するモデルへの提案だ。英国防省は、通信が劣化した場合や衛星測位を利用できない場合にも、ドローン群が活動を続けられるモデルを目指している。

昼間・熱センサーの画像と600万件超の検出情報

利用対象のデータベースには、ウクライナの無人航空機が昼間用センサーと熱センサーで収集した画像・映像が含まれる。戦車、砲兵装備、防空システム、歩兵、航空目標など、600万件を超える物体検出のセンサー情報も収められている。

このデータベースはAIモデルの開発、訓練、評価に使われている。応募企業には、こうしたデータを軍用ドローン向けモデルの開発にどう使うかが問われる。

目標認識から分散した機体間の判断まで

公募対象の一つは、複雑で妨害のある環境で目標を検出、分類、優先順位付け、追跡する自律目標認識だ。複数の自律システムが単一の制御点に依存せず、状況に応じて経路、優先順位、行動を変える分散意思決定も対象となる。

さらに、通信が制約された状態と分散制御の下で複数のシステムの行動を調整する技術を募る。複数の機体とセンサーの情報を共有・統合して活用する手法も含まれ、認識した情報を機体間の判断や行動につなぐ開発案を受け付ける。

最大12社を選び、両国の防衛需要への適合を求める

データの初期利用対象は最大12社となる。応募案は、ウクライナと英国の双方の防衛上の要求に適用できなければならない。

この取り組みは、英国防省で迅速なAI導入を担うTaskforce RAIDが主導する。英国防省は数週間で企業を選び、その後間もなく選定企業によるデータ利用が始まると見込んでいる。