FPVドローン操縦訓練が、固定翼ドローンの迎撃、数十kmの長距離運用、夜間の熱画像使用までを同じ野外課程に組み込んだ。欧州防衛機関とラトビア軍は、14のEU加盟国が参加する初のEU全域課程を実施した。
14加盟国が参加した初のEU全域課程
欧州防衛機関(European Defence Agency、EDA)とラトビア軍は、14のEU加盟国から集まった一人称視点(First-person view、FPV)ドローン操縦者を対象に、先進的な無人航空システム(UAS)の攻撃・迎撃作戦を扱う課程を実施した。2026年5月31日から6月5日まで行われたこの課程は、同種の訓練として初めてEU全域から参加者を集めた。
国をまたぐ参加形態は、各国の操縦者が同じ条件とシナリオに入る訓練環境をつくった。そこで扱われたのは機体の基本操作に限らず、地上と空中の目標に対処する野外任務だった。
塹壕や森林を含む野外シナリオ
課程はラトビアのセロニア軍事地域で行われ、現実的な作戦環境を模擬した野外条件が設定された。参加者は、静止目標と移動目標の双方に対する演習を行った。
目標は塹壕や森林内にも置かれ、有人・無人の機械化プラットフォームも演習対象に含まれた。無人地上車両(UGV)を含む種類の異なる目標を使うことで、地形、目標の動き、対象の構成が変わる状況を一つの課程で扱った。
固定翼ドローン迎撃から夜間運用まで
空中目標への対処では、ロシアの一方向攻撃型ドローンを模した固定翼ドローンが使われ、参加者はその迎撃を訓練した。さらに、数十kmに及ぶ長距離運用にも取り組み、近距離の機体操作とは異なる飛行条件を経験した。
課程には夜間運用も組み込まれ、参加者は熱画像システムを使用した。固定翼機の迎撃、長距離運用、夜間のセンサー利用が、同じ野外訓練の中で実施された。
共同任務で戦術と手順を共有
ラトビア自律システム能力センターの教官は、異なる国の参加者が協力して共同任務を遂行するよう演習を設計した。操縦者が個別に課題を終えるのではなく、参加者間の連携を任務の一部に組み込んだ。
欧州防衛機関は、EU加盟国のUAS運用者が共通の戦術、技術、手順に基づいて合同訓練する必要があるとの方針を示している。今回確認できる実績は各国の操縦者による共同課程の実施であり、恒久的な訓練網はまだ計画段階にある。
一度限りの課程から継続プログラムを設計
訓練と並行して、欧州防衛機関はUAS運用者向けシンポジウムと作業部会を開催した。40人を超える軍事専門家や産業界の代表者などが集まり、パートナー国も交えて、欧州各地で先進的なUAS訓練課程を提供する新プロジェクトの設計を協議した。
欧州防衛機関は、ウクライナで得られた経験を踏まえ、今回の一度限りの課程を継続的な欧州レベルのプログラムへ発展させることを目標としている。構想には訓練センターのネットワーク、体系的な訓練プログラム、既存演習Titan Skyとの連携が含まれる。