AI

筋電信号から動作を予測するAI外骨格、台湾の病院で利用

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    歩行訓練用外骨格が筋肉の信号から次の動作を予測し、下肢の反復運動を支援する。

  2. 実現の仕組み

    圧力、筋電・力、慣性の各センサーから得た信号を、搭載プロセッサー上のAIで処理する。

  3. 得られた結果

    Intelによると、台湾の医療センター級病院の約3分の1で利用されている。

  4. 従来との違い

    Intelによると、療法士が最大4人必要な場合がある従来の訓練に比べ、支援人数を少なくとも2人減らせる。

歩行訓練用のAI外骨格FREE Walkは、筋肉由来の電気信号から次の動作を予測する。訓練中の処理を機器側で行う構成で、台湾の医療機関で利用されている。

筋電などのセンサー信号から次の動作を予測

Intel、医療機器メーカーのOnyx Healthcare、外骨格を手がけるFREE Bionicsが共同開発したFREE Walkは、下肢リハビリテーション向けの装着型外骨格だ。圧力センサー、筋電・力センサー、慣性センサーから、訓練中の身体の状態を取り込む。

搭載されたアルゴリズムは、リアルタイムの筋肉由来の電気信号を使って次の動作を予測する。センサー入力を動作予測につなぐ構成が、歩行訓練を支える。

外骨格内のプロセッサーでAIモデルを動かす

外骨格にはIntel Core Ultraプロセッサーが搭載され、CPU、内蔵GPU、NPUを処理に利用する。Onyx HealthcareはAIモデルの評価と配備にOpenVINOを使い、これらの計算資源へ処理を割り当てる。

訓練中の動作分析と人・機械間のやり取りに使うAI処理は、機器側で実行される。動作予測に使う入力を、その場で扱う構成だ。

反復運動の支援と訓練データの確認を分担

FREE Walkは、下肢の動きを安全かつ一定の方法で繰り返す訓練を支援する設計となっている。機器側の処理は、訓練中の動きに応じたやり取りを担う。

訓練を通じて蓄積したデータは、クラウド上での確認と製品改良に使われる。訓練中の処理と蓄積データの利用を、それぞれ機器側とクラウド側に分けている。

台湾の医療機関で利用、訓練記録は4万件超

Intelによると、FREE Walkは台湾の医療センター級病院の約3分の1で利用されている。台湾以外の22カ国では、4万件を超える患者訓練記録が蓄積されたという。これは訓練記録の件数であり、患者数を示す数字ではない。

人員配置についてIntelは、従来の下肢リハビリテーションでは患者1人の訓練に最大4人の療法士が必要な場合があると説明する。AI外骨格の利用では、支援に必要な人数を少なくとも2人減らせるとしている。