現場のデータと熟練者の知識をAIが利用できる知識グラフに整理し、監視・運用へつなぐ仕組みがHMAXに加わった。日立製作所は、データセンター運用とサイバー対策向けのソリューションも追加した。
現場知識を扱う分野横断型ソリューションを追加
日立製作所は、社会インフラ向けのAIソリューション群「HMAX」を拡張し、分野横断型のHMAX Data FabricとHMAX AI Operationsを導入した。現場の知識をAIが利用できる形で蓄積し、その知識を監視・運用へ適用する構成だ。
分野横断型にはサイバー対策向けのHMAX Cyberも加わった。データセンター向けのHMAX Data Centerは、業種や業務に合わせた分野別ソリューションとして追加された。
オントロジーで現場データと暗黙知を結び付ける
データ基盤のHMAX Data Fabricは、多様な現場データと熟練者の暗黙知を、概念やその関係を定義するオントロジーに基づいて整理する。整理した情報を、AIが利用できる知識グラフとして蓄積する。
この知識グラフが、現場から取り出した情報をAIの運用に渡す接点となる。日立製作所が示した構成では、現場での知識抽出とデータ基盤への蓄積が一続きの工程になる。
蓄積した知識を監視・運用へ接続する
日立製作所のPhysical AI FDEチームは顧客の現場に入り、運用知識を抽出してHMAX Data Fabricに蓄積する。続いて、HMAX AI Operationsを通じてAIを監視・運用へ適用する工程までをつなぐ。
HMAX Data Fabricが知識を保持し、HMAX AI Operationsが運用への適用を担う構成である。日立製作所は、この一連の取り組みをPhysical AIの現場導入に向けたものと位置付けている。
データセンターの電力・IT・冷却設備を横断して扱う
分野別に追加されたHMAX Data Centerは、データセンターを支えるインフラの自律的な運用・保守と全体最適化を対象とするソリューション群だ。電力、IT、冷却の各設備をメーカーの違いをまたいで統合監視する。
監視した設備の情報は相関分析に利用され、設備を横断した障害対応や継続的な運用改善を支援する。日立製作所は、設備運用の知見とPhysical AIを組み合わせるとしている。
サイバー対策を備えから復旧まで分けて提供
分野横断型のHMAX Cyberは、サイバー攻撃から顧客システムを保護し、事業継続を支援する運用レジリエンスサービスとして導入された。リスクへの備えを支援するIdentify、24時間体制の監視・運用を支援するManage、インシデントからの復旧を支援するRecoverの3種類で構成される。
データセンターの設備運用とサイバー対策は、それぞれHMAXに追加された別のソリューションである。前者は物理設備を横断した監視と対応、後者はシステム保護から復旧までを対象にする。