対戦映像から選手の位置と動きを読み取り、練習用プレーカードのデジタル図を端末内で自動作成するAIエージェントが概念実証として開発された。AI PCの配備と組み合わせ、手作業だった準備工程を自動化する。
AI PCの配備にプレーカード作成機能を加える
Intelとアリゾナ州立大学は、Intel vProを搭載したLenovo ThinkPad X9 Aura Edition PCを、Intelのフットボール部門へ配備した。端末は遠征先を含むコーチ陣の業務に使われ、AI処理をローカルで実行する基盤となる。
両者は過去6か月に、練習用プレーカードの作成を自動化するオンデバイスAIツールを概念実証として共同開発した。専用のAIエージェントを配備済みのPCへ組み込み、映像の入力から図面の生成までを端末上の一連の処理にした。
選手位置の識別から動きの追跡へつなぐ
スタッフは、対戦相手の試合映像をAIエージェントが動作するPCへ直接入力できる。AIエージェントは映像内の攻撃側と守備側を分け、それぞれの選手位置を識別する。
識別された位置は、プレーの進行に伴う選手の動きを追跡するための入力になる。時間方向に位置を追うことで、静止した配置だけでなく、各選手がプレー中にたどった動線を扱う。
追跡結果をデジタルホワイトボード図へ変換する
位置と動きの解析結果は、追加分析に使うデジタルホワイトボード図へ自動変換される。練習用プレーカードは選手の配置、走路、ブロック方法を視覚化し、次の試合に向けた練習内容の準備に使われる。
従来はコーチ陣がプレーを手作業で描き起こし、作成に数時間を費やしていた。アリゾナ州立大学のコーチ陣は、自動作成によって試合準備時間を15〜20%削減できると見込んでいるが、この数値は実測結果ではなく運用上の予測である。
映像処理を端末内に閉じ、遠征先から管理する
映像解析と図面生成を端末内で実行する構成は、外部のクラウドへデータを送る処理と異なる。Intelは、プレーブック戦略や試合映像分析などの機密データを物理端末の外へ出さずに処理でき、データ露出のリスクを低減すると説明している。
遠征時の端末管理はIntel vProが担う。Intelによると、遠隔管理とセキュリティーの機能により、IT部門はOSの状態にかかわらず、学外で使用されるAI PCの状態を確認して管理できる。