ゲーム内AIキャラクターの会話履歴、知識検索、音声入出力を端末上で組み込む手段が増えた。NVIDIAは、ACE Game Agent SDKのベータ版とUnreal Engine 5向けのACEプラグインを公開した。
C/C++のSDKがゲーム内AIの処理を受け持つ
NVIDIAが公開したゲーム内AIキャラクター向けのACE Game Agent SDKは、ゲームへの組み込みを目的としたオープンソースのC/C++フレームワークだ。ベータ版として提供され、開発者はキャラクターの会話や行動に関わる処理をゲーム内のコードへ接続できる。
SDKは処理の入口として、Agent、Chat、RAGの3種類のAPIを備える。それぞれ会話の継続、推論の直接制御、外部知識の検索という役割を持ち、キャラクターに必要な処理に応じて使い分ける。
会話履歴と検索結果を応答へつなぐ3種類のAPI
Agent APIは会話履歴を保持し、ツールを使う複数段階の推論を進める。一方、Chat APIは状態を保持しないため、開発者が個々の推論を直接制御できる。
RAG APIは、開発者が構築したデータベースから意味や語句を手掛かりに情報を探し、両方を組み合わせた検索にも対応する。検索した知識を応答の根拠に使うことで、キャラクターの返答をゲーム内の情報へ結び付ける。
1200超のゲームデータ表を参照する実験的アドバイザー
RAGを使う例が、ゲーム『Total War: PHARAOH』の実験的なAIアドバイザーだ。相互に関連する1200超のゲームデータ表を検索し、プレイヤーからの戦略上の質問に答える。
この構成では、質問に関係するゲーム内データを探してから回答へ渡す。NVIDIAが示す事例は、SDKの知識検索をゲーム内の助言に結び付けたものだ。
音声認識から返答の読み上げまでをゲームに組み込む
NVIDIAはUnreal Engine 5向けにも、自動音声認識、小規模言語モデル、音声合成のACEプラグインを公開した。いずれも端末上で動作し、Unreal Engineの視覚的な開発手段であるBlueprintとC++の両方から利用できる。
音声認識プラグインには、すぐに使える英語モデルに加え、7言語分のモデルをダウンロードする手段がある。小規模言語モデル用プラグインは、端末上でのGGUF形式モデルの利用、文章生成、関数呼び出しに対応する。
応答を声にする音声合成プラグインには、Chatterbox Turbo 350Mモデル、音声例、サンプルレベルが含まれる。これらのプラグインを使い、開発者は音声入力、文章による応答、読み上げをゲームの処理へ組み込める。