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量子計算機の校正図を読むAI、例示付き評価で旧版44.5点から83.0点へ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    量子計算機の校正図を読む画像言語モデルは、事前の例がない診断結果も解析できる。

  2. 実現の仕組み

    複数方式の量子ビットに関わるデータで学習し、校正図の特徴や実験結果を解釈する。

  3. 得られた結果

    関連実験の例を与えるQCalEval評価で、新版のBF16モデルは83.0点、旧版は44.5点だった。

  4. 従来との違い

    従来のBF16版に加え、単一GPUで実行できるNVFP4量子化版が用意された。

関連実験の校正曲線を参照しながら、中央の量子計算機校正図を解析する様子を描いたイラスト
AI生成画像

量子計算機の校正図を解析する画像言語モデル「Ising Calibration 1.5」は、関連実験の例を与える評価で旧版の44.5点に対し83.0点を記録した。NVIDIAは単一GPUで実行できる量子化版も加えた。

校正図から調整方法を判断する

量子プロセッサの校正では、実験で得た図を読み取り、調整を続けるための判断につなげる。NVIDIAの画像言語モデル「Ising Calibration 1.5」は、この診断結果の解釈と調整方法の判断を支援するために設計された。

モデルの学習には、超伝導量子ビット、量子ドット、イオン、中性原子など、複数の方式に関わるパートナー提供データを使った。異なる方式の校正結果を扱うための学習データが、図の解析能力の基盤となる。

図の読解から校正状態の診断までを測る

評価に使うQCalEvalは、図の特徴記述に加え、実験結果の分類、科学的解釈、フィットの信頼性判定、パラメータ抽出、校正状態の診断を対象とする。図に何が描かれているかだけでなく、その結果をどう判断するかまで測る構成だ。

評価には、画像と質問を一件ずつ独立に与えるゼロショットと、同じ実験群の例を先に与える文脈内学習がある。後者では関連する結果を手掛かりに、対象の校正図を解釈する。

関連実験の例を与えると旧版との差が広がる

NVIDIAが公開したQCalEvalの結果では、BF16版の文脈内学習の評価点は新版が83.0点、旧版が44.5点だった。一方、例を与えないゼロショット評価では新版75.7点、旧版74.7点で、両条件における差の大きさは異なる。

NVFP4量子化版の評価点は、ゼロショットで70.5点、文脈内学習で81.2点だった。この数値はBF16版とは別の精度形式で測った結果であり、量子化版でも関連実験の例を利用する評価が行われている。

量子化版と実験用の参照実装を公開

Ising Calibration 1.5には、従来のBF16版に加えてNVFP4量子化版が用意された。NVIDIAは量子化版を単一GPUまたはDGX Sparkで実行できるとしており、両形式のモデル重みとQCalEvalのデータ、評価スクリプトも公開している。

校正作業に組み込むための「Quantum Calibration Agent Blueprint」は、実験の探索、実行、画像言語モデルによる結果の解析を組み合わせる参照実装だ。校正図の解釈を実験手順へ接続する構成が示されている。