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AIエージェントが配列照合と2モデルのタンパク質構造予測を連携

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    AIエージェントが配列照合サービスと2種類の構造予測モデルを呼び出し、Seh1の単独構造と複合体構造を比較した。

  2. 実現の仕組み

    各タンパク質の配列を照合し、同じ種に由来する関連配列も対応付けて、構造予測の入力にした。

  3. 得られた結果

    NVIDIAの比較では、複合体予測の界面信頼度指標iPTMが配列照合ありで0.85と0.82、なしで0.14と0.19だった。

  4. 従来との違い

    Seh1単独の構造予測に相手タンパク質を加えると、未完成のWD40構造を相手側のβストランドが補う配置になった。

Seh1のWD40構造の開口部に、相手タンパク質のβストランドが結合する予測構造のイラスト
AI生成画像

タンパク質の配列照合から複合体の構造予測までを、AIエージェントが専門サービスを呼び出して進めた。NVIDIAとAnthropicが連携した実行例では、2種類の予測モデルでSeh1の単独構造と複合体構造を比較している。

エージェントが3つの計算サービスを呼び出す

NVIDIAとAnthropicは、生命科学向けのBioNeMo Agent Toolkitを科学研究用AI環境のClaude Scienceに統合した。エージェントはこのツールキットを通じて、BioNeMo NIMマイクロサービスを見つけ、起動し、呼び出す。

実行例では、配列照合用のMSA Searchと、構造予測用のOpenFold3、Boltz-2という3つの計算サービスを起動する。対象はタンパク質Seh1で、単独の予測構造を候補となる相手タンパク質C1HCX1との複合体の予測構造と比較する。

同じ種の配列を対応付けて予測の入力を作る

エージェントはタンパク質配列データベースのUniProtから、Seh1とC1HCX1の配列を取得する。各タンパク質について、関連する配列を集めた非ペアの多重配列アラインメント(MSA)を作成する。

さらに、同じ種に由来する両タンパク質の関連配列を対応付け、複合体予測用のペアMSAを作る。この実行での検索結果は各タンパク質について202配列で、単独鎖と2鎖複合体を予測する入力となった。

同じ入力条件で単独鎖と複合体を予測する

この実行では、取得した配列を短縮せず、構造テンプレート、リガンド、その他の制約も与えなかった。MSAを用意したうえで、OpenFold3が単独鎖と2鎖複合体の構造を予測する。

Boltz-2も単独鎖と2鎖複合体を予測し、各モデルの出力をそれぞれ評価する。こうして、Seh1だけを入力した場合と、C1HCX1を加えた場合の構造をモデルごとに比較できる。

配列照合の有無で界面信頼度が分かれる

NVIDIAが示した比較では、MSAを入力した複合体予測の界面信頼度指標iPTMは、OpenFold3で0.85、Boltz-2で0.82だった。MSAを入力しない場合は、それぞれ0.14と0.19になった。この数値は、今回の2タンパク質の予測におけるモデルの評価値である。

予測構造を重ね合わせると、両モデルはC1HCX1の同じβストランドをSeh1のWD40構造の閉鎖位置に配置した。NVIDIAは、相手タンパク質を含む予測でSeh1の折り畳みが作り直されるのではなく、未完成の部分が補われると解釈している。