Defense

可搬型レーザー地上局で衛星データの光受信に成功、英国初

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    可搬型レーザー通信地上局で、低軌道衛星からのデータを光で受信した。

  2. 実現の仕組み

    電波の代わりに、低出力の不可視光で衛星から地上局へ情報を伝える。

  3. 得られた結果

    地中海地域の地上局が、90秒間の衛星通過中にギガビット単位の大量のデータを受信した。

  4. 従来との違い

    可搬型地上局による宇宙からの光受信が、英国で初めて成功した。

地中海沿岸の可搬型光地上局と、光リンクでデータを送る低軌道衛星
AI生成画像

可搬型レーザー通信地上局が、低軌道衛星からのデータを光で受信した。英国防衛科学技術研究所(Dstl)向けの実証では、90秒間の衛星通過中にギガビット単位の大量のデータを取得した。

可搬型地上局による英国初の光受信

英国企業Archangel Lightworksは、英国防衛科学技術研究所(Dstl)向けの実証で、可搬型レーザー通信地上局を使って宇宙からのデータを光で受信した。Dstlは、可搬型地上局を使ったこの光受信を英国初の成功としている。

試験に使った光地上局はArchangel Lightworksが開発した。地上局を使った受信の成立が、今回確認された技術的な成果だ。

低軌道衛星の90秒間の通過でデータを取得

データは低軌道の衛星から、地中海地域に置かれた光地上局へ送られた。衛星が地上局から受信できる位置を通過する間に、光による下り通信を行った。

その衛星通過は90秒間で、地上局はギガビット単位の大量のデータを受信した。この値は試験で受信したデータ量であり、従来の電波通信との速度比較を示す測定値ではない。

不可視光を使う衛星から地上への伝送路

レーザー通信は、電波の代わりに低出力の不可視光で情報を運ぶ。今回の試験では、この光を使って衛星から地上局へデータを届けた。

Dstlは、光の波長が電波より短いため、単位時間あたりに多くのデータを送れると説明している。この性質が光通信方式の伝送能力に関わる一方、今回の実証で示された具体的な受信量は90秒間の衛星通過中に取得したデータだ。

狭い光ビームが軍用通信にもたらす性質

Dstlは、狭い光ビームには通信の検知や傍受を難しくし、他のネットワークや装置との干渉を減らす利点があるとしている。これらは通信方式の性質についての説明であり、今回の受信試験で個別に測定された結果ではない。

大量の情報を迅速に送る必要がある情報収集・監視・偵察は、Dstlが挙げる軍事用途の一つだ。今回の成果は、その用途を見据えた衛星から地上へのデータ受信の実証に位置づけられる。