偵察戦闘車Jaguarの全技術・運用能力を備えるR3規格について、フランス陸軍への初回引き渡しが始まった。9月4日までに21両が渡され、既納車も同じ規格へ改修される。
認定と使用承認を経て21両を引き渡し
偵察戦闘車JaguarのR3規格は、2026年夏にフランス陸軍への初回引き渡しが始まり、9月4日までに21両が渡された。フランス装備総局(DGA)によると、R3はJaguarの技術・運用能力をすべて搭載する規格に当たる。
DGAとフランス陸軍は4月8日にR3を「bonne de guerre」と認定し、陸軍は7月20日に使用を承認した。これにより、R3は認定段階から部隊へ車両を引き渡す段階へ進んだ。
六輪車体に40mm機関砲と生存区画を統合
Jaguarは重量25トンの六輪駆動車で、主武装としてテレスコープ弾を使う40mm機関砲を搭載する。近距離の自衛には、遠隔操作式銃塔に収めた7.62mm機関銃を使用する。
車体は乗員を守る生存区画を中心に設計され、地雷と即席爆発装置(IED)に対する高水準の防護を備える。この防護構成に機動性や昼夜の監視能力を組み合わせ、接触地域に接近して情報を取得する偵察戦闘車として構成されている。
MMP統合で最大4kmの対戦車攻撃を計画
R3には、中距離ミサイルMMPを統合する計画が含まれる。DGAは、MMPを使用する構成により、敵戦車との機関砲同士の交戦を避けながら、高価値目標を最大4km先から狙えるとしている。
MMPは40mm機関砲を置き換えるのではなく、R3の武装選択肢に長射程の対戦車攻撃を加える。現段階で完了しているのはR3規格の認定、使用承認、初回車両の引き渡しであり、MMPについては統合予定の能力として位置付けられている。
SICSで戦術情報を共有し既納車もR3へ改修
JaguarはScorpion戦闘情報システム(SICS)を搭載し、戦域の戦術状況をリアルタイムで交換できる。個々の車両が取得した情報を共有することで、JaguarはScorpion計画のGriffonやServalと連携する協同戦闘の構成要素になる。
すでに部隊で運用されているJaguarもR3規格への改修対象となり、作業は2027年末までに完了する予定である。車種としては、AMX10RCとERC-90 Sagaieの軽戦車に加え、対戦車ミサイルHOTを搭載するVABの後継に位置付けられている。