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人型ロボットの電池を胴体に内蔵、3世代でエネルギー密度94%向上

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    胴体に内蔵した2.3kWhの電池について、開発元は人型ロボットをピーク性能で5時間稼働させられるとしている。

  2. 実現の仕組み

    鋼材とアルミニウムなどで作る電池外装が、ロボットの胴体を支える構造材を兼ねる。

  3. 得られた結果

    セルを加熱して熱暴走を起こした試験では、電池外部への火炎を防ぎ、隣接セルへの伝播を弱めたとしている。

  4. 従来との違い

    初代機では外付けのバックパックに入れていた電池を、F.03では胴体の内部へ移した。

胴体の構造材に組み込まれた電池を断面で示す人型ロボットの編集イラスト
AI生成画像

人型ロボット用電池が外付けのバックパックから胴体内部へ移り、外装は胴体の構造材も兼ねる。Figure AIは3世代の開発で電池のエネルギー密度を94%高めたとしている。

外付け電池を胴体の構造材へ組み込む

Figure AIの初代人型ロボットF.01では、大型の矩形電池モジュールを外付けのバックパックに収めていた。第3世代の電池「F.03」は胴体内部に収まり、Figure AIは3世代の開発を通じてエネルギー密度を94%高めたとしている。

電池外装には高強度のプレス鋼材、ダイカストのアルミニウム、構造用接着剤を使う。この外装は胴体を支える部材も兼ね、ロボット全体で必要な質量と容積を抑える設計だ。

冷却部品を外装に組み込み、2kW充電に対応

F.03の電池容量は2.3kWhで、Figure AIはロボットをピーク性能で5時間稼働させられるとしている。充電には能動冷却を伴う2kWの急速充電を採用した。

冷却部品はダイカスト部品へ直接組み込まれ、空気を流す強制対流で熱を逃がす。Figure AIは、熱の伝わりにくさと局所的な発熱を抑えることが、この充電方式を支えると説明している。

セルの異常を多層の保護と加熱試験で確認

独自の電池管理システムにはセンサー、スイッチ、ヒューズを組み込み、過充電や外部短絡などの異常を防ぐ設計とした。セル間のワイヤーボンド接続も、短絡時に溶断するよう形状を調整している。

セルが熱暴走した場合に備え、断熱性の充填材と熱を速やかに分散させる構成で隣接セルへの伝播を抑える。排気口には火炎を抑える構成と、外部へ火炎を出さないための技術を組み合わせた。Figure AIがセルを加熱して熱暴走を起こした試験では、電池外部への火炎を防ぎ、隣接セルへの伝播を弱めたとしている。

成形工程への切り替えで電池コストを削減

F.03の部品製造は、機械加工中心の方式から、ダイカスト、プレス、射出成形、ディップ成形を用いる方式へ切り替わった。Figure AIは、この電池のコストが前世代のF.02より78%下がったとしている。

電池の製造も自社施設BotQの内部へ移した。F.03電池は、年間最大1万2000台の人型ロボットを製造できる設計の初代生産ラインに対応するよう開発されている。