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実環境での追加調整なしに階段を歩く人型ロボット制御を実証

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    人型ロボットの全身制御が、頭部カメラで捉えた周囲の形状を条件に動作を決められるようになった。

  2. 実現の仕組み

    頭部カメラのRGB画像を周囲の三次元表現へ変換し、固有受容状態とともに制御ポリシーへ入力する。

  3. 得られた結果

    シミュレーションで訓練した同じネットワーク重みを使い、実機が実環境の階段を歩行した。

  4. 従来との違い

    身体状態だけに基づく平地向け制御から、カメラで得た環境情報を条件とする全身制御へ移行した。

頭部カメラで階段の形状を捉え、全身を協調させて歩く人型ロボットの編集イラスト
AI生成画像

頭部カメラから構築した三次元環境表現を全身制御へ加え、人型ロボットが前方の地形に応じて動けるようになった。Figure AIによると、シミュレーションで訓練した重みを追加調整せず実機へ移し、実環境の階段を歩行したという。

身体状態だけの制御では前方の地形を捉えられない

Figure AIは、人型ロボット向けAIモデルHelixの全身制御モデルSystem 0(S0)に、カメラから得る環境情報を加えた。従来のS0は、関節状態、基部の動き、固有受容情報というロボット自身の状態を入力とし、平地を歩行していた。

身体状態だけを扱う制御ポリシーは、前方の地形を見て次の動作に備えることができない。階段、スロープ、不整地を移動するには、手作業で設定したモード切り替えと操作者の介入が必要だった。

頭部カメラの画像を三次元環境表現へ変換

新しい入力経路では、頭部に搭載したカメラのRGB画像をステレオモデルへ渡す。ステレオモデルは画像からロボット周囲の三次元表現を構築し、これから踏み込む場所の空間情報を生成する。

生成された空間情報は、関節などから得る固有受容状態とともにS0の制御ポリシーへ入力される。制御ポリシーは、身体がどう動いているかだけでなく、周囲の形状も条件として全身の動作を決める。

数千のランダム地形で知覚から動作までを訓練

S0の制御ポリシーは、数千のランダム化された地形を使うシミュレーション内で、強化学習によりエンドツーエンドで訓練された。学習対象には、手続き生成された階段を登る動作も含まれる。

ネットワークは、カメラ由来の空間情報と固有受容状態を入力として受け取り、全身の動作を出力する。シミュレーションで階段を登るよう学習したネットワークと同じ重みが、そのまま実機の制御に使われた。

同じネットワーク重みで実環境の階段を歩行

Figure AIによると、シミュレーションで訓練した同じネットワーク重みにより、実機が実環境の階段を歩行したという。身体状態だけを使う従来の制御から、カメラ由来の環境表現を使って前方の地形に応じる全身制御へ、入力と処理の構成が変わった。

実機への移行では、実環境でのファインチューニング、用途固有のキャリブレーション、操作者による調整を行わなかった。異なる照明条件でも動作しており、シミュレーションで得た制御を同じネットワーク重みのまま実環境へ移した。