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2.5分間隔で欧州を追う次世代気象衛星3機が軌道上に集結

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    2.5分間隔の欧州観測と昼夜の雷検出を担う設計の第2画像衛星が打ち上げられ、地上局との通信を確立した。

  2. 実現の仕組み

    静止軌道からFlexible Combined Imagerが欧州を高速走査し、Lightning Imagerが昼夜の雷イベントを捉える設計である。

  3. 得られた結果

    画像衛星2機とサウンダー衛星1機からなる最初の次世代気象衛星構成が軌道上にそろった。

  4. 従来との違い

    運用中の先行2機だけだった軌道上の構成に第2画像衛星が加わり、最初の3機が存在する状態へ移った。

欧州を走査しながら昼夜の雷を観測する気象衛星を表現したAI生成画像
AI生成画像

2.5分間隔の欧州観測と昼夜の雷検出を担う設計の画像衛星が打ち上げられ、次世代気象衛星の最初の3機が軌道上にそろった。新衛星は地上局と通信を確立したが、3機での全面運用はコミッショニング後に始まる。

第2画像衛星の打ち上げで最初の3機がそろう

欧州宇宙機関(ESA)が開発した画像衛星MTG-I2は、2026年8月27日にAriane 6のVA270便で打ち上げられた。ロケットから分離した機体はマリンディ地上局との通信を確立し、打ち上げ直後の運用段階へ入った。

この打ち上げにより、次世代気象衛星システムMeteosat Third Generation(MTG)の最初の構成となる画像衛星2機とサウンダー衛星1機が軌道上にそろった。画像を繰り返し取得する衛星と大気を探測する衛星を組み合わせる構成である。

軌道を引き上げてコミッショニングへ移行

3機が軌道上に存在することは、3機すべてが運用を始めたことを意味しない。先行するMTG衛星2機はコミッショニングを完了して欧州気象衛星開発機構Eumetsatの運用に移っているが、MTG-I2はコミッショニング前の段階にある。

MTG-I2は推進系を使って近地点を段階的に引き上げ、飛行経路を調整しながら最終軌道へ向かう。最終軌道で機体を地球へ向けると打ち上げ・初期運用段階を終え、コミッショニングへ移る。MTGの3機による全面運用は、この工程の完了後に始まる計画である。

静止軌道から欧州を2.5分ごとに走査

MTG-I2は、高度約3万6000kmの静止軌道に配置される設計である。地球の自転に合わせて地表の同じ地点を追うため、欧州と北アフリカ上空の大気を一定の視点から繰り返し観測できる。

搭載する画像観測装置Flexible Combined Imagerは、複数の走査モードを切り替えられる。MTG-I2では欧州向けの高速走査に使い、運用開始後は2.5分ごとに新しい観測を提供する計画で、急速に発達する気象システムの推移を短い間隔で追跡する。

昼夜の雷検出を第2の画像系で補完

もう一つの搭載装置Lightning Imagerは、昼夜を問わず個々の雷イベントを捉える。この雷観測は、急速に変化する気象条件を対象とした短時間予報に利用できる。

MTG-I2は、先行する画像衛星MTG-I1と同じ2種類の画像観測装置を搭載し、同等の観測能力を持つ。ESAは、第2画像衛星が加わることで、画像観測の継続性と運用上の冗長性を確保すると説明している。

画像と探測データを三次元の気象情報へ統合

画像衛星の観測結果は、サウンダー衛星が取得する大気データと組み合わせられる。weather cubeと呼ぶデータプロダクトは、両種の衛星データから雷、風、雲内部の動き、温室効果ガス、大気汚染物質などを三次元で表現する。

ESAは、MTGの観測データが発達中の気象前線と森林火災、大気汚染の追跡に使われ、早期警報の信頼性向上を支えるとしている。最初の3機はESAが開発し、Thales Alenia Space主導の欧州企業連合が製造した。各衛星のコミッショニング完了後は、Eumetsatが運用と科学データの配信を担う。