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衛星から配信までをつなぐEU政府向け地球観測網、2陣営が並行設計へ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    EUの政府向け地球観測網について、衛星から情報配信までを通した構成案の策定が始まる。

  2. 実現の仕組み

    ICEYEとLeonardoが別々の産業コンソーシアムを率い、利用者の要求とセキュリティ要件に基づいて並行設計する。

  3. 得られた結果

    調査対象は宇宙セグメント、地上インフラ、データ処理、配信、ガバナンスを含む全経路に確定した。

  4. 従来との違い

    将来構想だったEOGSは、2件の契約によりエンドツーエンド構成を具体化する段階へ移った。

衛星観測から地上処理と情報配信までを結ぶ、二つの並行する地球観測サービス構成案を描いたイラスト
AI生成画像

EUの政府向け地球観測網を、衛星、地上処理、情報配信まで一つの経路として設計する作業が契約段階へ進んだ。2陣営が別々の構成案を策定し、2028年の開始計画に備える。

2陣営が全経路の構成案を別々に策定

欧州宇宙機関(ESA)は、EUの将来の政府向け地球観測サービス、Earth Observation Governmental Service(EOGS)のアーキテクチャ調査をICEYEとLeonardoへそれぞれ発注した。両社は別々の欧州産業コンソーシアムを率い、同じ計画に対する構成案を並行して策定する。

並行調査は、単一の衛星やセンサーを選ぶ作業に限定されない。利用者の要求を起点として、宇宙セグメント、地上インフラ、データ処理、配信、ガバナンスまでを一続きに扱い、EOGSのエンドツーエンド構成を定める。

衛星の観測データを地上処理と配信へ渡す

EOGSは、衛星だけでなく、地上インフラ、データと情報、処理設備、配信インフラを含む計画である。宇宙側で取得した観測データを地上側で処理し、利用者へ届けるまでの各要素が一つのサービスを構成する。

この構成により、両調査は個別設備の設計に加え、設備間でデータと情報を受け渡す全体構造を扱う。ガバナンスも調査範囲に入るため、技術要素だけでなく、サービス全体を成立させる管理構造まで構成案に組み込む。

商用サービスと加盟国の能力を共通構成へ組み込む

EOGSは、すべての能力を新規設備だけで構築する計画ではない。商用サービス、加盟国が保有する能力の共有、EU向けに開発してEUが保有する中核能力を組み合わせる。

異なる保有主体の能力を一つの観測サービスへ接続するため、構成案は欧州委員会が定める利用者ニーズとセキュリティ要件を基礎とする。この条件が、宇宙セグメントから処理、配信までを選定し、接続する際の共通境界になる。

安全保障向けの継続観測を2028年の計画へ接続

EOGSは、安全で信頼性が高く、適時かつ継続的で、対象を絞った宇宙ベースの地球観測データを提供する構想である。ESAによると、このデータは安全保障と防衛に関するEUおよび加盟国の状況把握を強化し、準備、意思決定、行動を支援する。

アーキテクチャ調査は、ESAのEuropean Resilience from Space for Earth Observation(ERS-EO)プログラムのElement 1に位置付けられ、欧州委員会が資金を拠出する。EOGSは次期多年次財政枠組みの下で2028年に開始する計画であり、今回の契約は、その実装に先立って全体構成を具体化する工程となる。