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AIがファージの逆転写酵素に伴う未知の酵素系を特定

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    AIエージェントがDNA配列の探索から、ファージにある未解明の酵素系の候補を見つけた。

  2. 実現の仕組み

    逆転写酵素の遺伝子に隣接する反復配列と、付随するタンパク質を手掛かりにした。

  3. 得られた結果

    追加解析と研究室での実験を経て、Anthropicは候補をARTと名付けた。

  4. 従来との違い

    先行研究で知られていた逆転写酵素に、未認識だった非コードDNAの反復領域と付随タンパク質が結び付いた。

ファージのDNA反復領域と隣接する逆転写酵素遺伝子、付随タンパク質の模式図
AI生成画像

ファージで既知の逆転写酵素に伴うDNAの反復領域と付随タンパク質が見つかり、未解明の酵素系として特定された。AnthropicのAI「Claude」が配列データから手掛かりを見つけ、人間の研究者が追加解析と実験を行った。

逆転写酵素の候補を大量のDNA配列から絞る

AnthropicはAI「Claude」に、大規模なDNA配列データベースから興味深い逆転写酵素を探すよう指示した。Claudeのエージェントは逆転写酵素の系統を調べ、有望な候補を選んだ。

約950のエージェントによる探索は約21時間続き、使用したトークンは2億1000万に達した。エージェントは20万を超える逆転写酵素を集め、3500の新たな酵素系候補から20候補を選んで分析した。

既知の酵素遺伝子の隣に反復配列を見つける

候補の一つを調べたエージェントは、特徴的な逆転写酵素の遺伝子に隣接するDNA配列の反復パターンを見つけた。対象の逆転写酵素はジャンボファージに存在し、酵素自体は先行研究で既に同定されていた。

逆転写酵素はRNAを鋳型にDNAを作る。今回の手掛かりは、その酵素の遺伝子の隣に反復パターンがあるという配列上の関係だった。

非コードDNAと付随タンパク質が酵素系の特徴に

Claudeは、逆転写酵素に伴う反復領域がタンパク質をコードしないDNA配列からなることを見いだした。さらに、その酵素には機能不明の付随タンパク質も伴っていた。

Anthropicは反復配列の配置をCRISPRを思わせるものと説明している。この類似性は配列の配置に関するもので、見つかった酵素系の働きを示すものではない。

追加解析と実験でARTとして特定

人間の研究者による追加解析と研究室での実験を経て、Anthropicはこの構成をバクテリオファージに存在する未解明の酵素系と認識した。反復領域に伴う逆転写酵素という構成から、array-associated reverse transcriptases(ART)と名付けている。

ARTの主な機能はまだ分かっていない。今回特定されたのは、既知の逆転写酵素と反復領域、付随タンパク質の組み合わせである。